水稲の育苗から田植後までの管理について

水稲の育苗から田植後までの管理について

平成25年産の水稲は、イネ縞葉枯病の発生で早植栽培のコシヒカリ、キヌヒカリを中心に減収しました。平成26年産の水稲は、イネ縞葉枯病を媒介するヒメトビウンカの防除の徹底で発生は抑えられ、収量は豊作となりましたが、出穂期の高温、8月下旬以降の低温で白未熟粒等が早植栽培のコシヒカリ等で発生し、等級がさがりました。

平成27年産の水稲栽培では、ヒメトビウンカのイネ縞葉枯病の保毒虫率が依然危険なレベルであるため、病害虫防除を徹底するとともに、高温障害対策に取り組み、収量があり、おいしく品質の高いコメつくりに取り組みましょう。

1 育苗期の管理

この時期は気象変動が激しいため、苗立枯病や生理障害によるムレ苗(センコウ苗)が発生することがあります。苗代のトンネルや育苗用ビニールハウス内の温度管理(高温・低温)に注意してください。

田植え時期が遅れ、苗の色が全体的に黄色っぽくなった場合は、肥切れの可能性があります。その際は、床を落水し、苗箱1枚あたり窒素成分で0.5g(硫安の場合は約2.5g)を0.5㍑の水に溶かして灌水します。

(1) 苗立枯病

苗立枯病の防除は予防が重要です。播種前に種子消毒や育苗箱消毒を確実に実施しておきましょう。

播種後に苗立枯病が発生した場合は、下記を参考に薬剤防除を行います。

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表1 苗立枯病の防除薬剤(例)

(2)ムレ苗(センコウ苗)

予防として下記①~③のいずれかの方法があります。
①播種前にフジワン粒剤(苗箱1箱あたり15g)を床土へ混和する。
②播種時又は発芽後にタチガレエース液剤(500~1,000倍)を土壌灌注(苗箱1箱あたり500ml)します。※タチガレエース液剤の使用回数は栽培期間内1回。
③緑化始期にフジワン粒剤(苗箱1箱あたり25~50g)を散布します。

また、ムレ苗が発生初期であれば、すぐに田植をすると回復します。

2 田植前後の管理

苗がすぐに活着して生育できるよう、田植え時は降霜等の低温を避け、健苗を田植しましょう。

(1)田植えのポイント

高温対策:田植前の耕耘は、深さ15cmを目標に行います。根がより深く・広く張り、良好な生育の確保や夏期の高温対策に効果的です。

植付株数は坪当たり50~60株(30cm×18~22cm)が収量・品質面で安定しています。1株に植え付ける苗数は2~3本、植え付ける深さは2~3cmが理想です。

(2)粒剤箱施用による病害虫防除

表2を参考に、病害虫の予防をしましょう。

【注意報 イネ縞葉枯病】

平成27年3月30日、埼玉県病害虫防除所は、イネ縞葉枯病の注意報を発表しました。ヒメトビウンカの越冬世代幼虫のイネ縞葉枯ウイルス保毒虫率(県平均6.5%)が高まっており、イネ縞葉枯病の多発が懸念されます。箱施薬剤によるヒメトビウンカの防除を徹底しましょう!

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表2 育苗箱施薬による防除

3 雑草防除

除草剤を散布した後は7日間湛水状態を維持し、その間は水があふれたり落水しないよう、適切な水管理に努めてください。なお、田植前の耕うんや代かきはていねいに行い、田面を均平に整えておくことが除草剤の効果を高めるポイントです。

苗の活着が悪いほ場や植え痛みが出たほ場は、使用時期を遅らせてください。また、気温が高くなると雑草の生育が早まり、使用時期の範囲内でも薬剤が効きにくくなるので注意しましょう。

後期剤で処理する場合、イネ科雑草ではクリンチャー、広葉雑草対象にバサグランが効果的です。使用する場合は、①効果的な雑草の大きさ、②落水処理等の効果的な条件、③使用時期の制限に注意してください。

4 施肥

基肥が過剰の場合、病害虫の多発や倒伏を助長するほか、食味の低下につながります。

品種に合わせた適正な施肥量を遵守しましょう。
高温対策:①地力を高め、根の活性維持や登熟期まで元気に生育できるよう、たい肥を投入することが有効です。②また、ケイカル等のケイ酸質資材の投入は、根の活性維持による高温障害軽減の効果があります。

標記の農薬の登録情報は平成27年4月8日現在のものです。

農薬の使用に際しては、ラベルを良く読み、使用量や使用時期、有効成分ごとの総使用回数などの使用基準を必ず守ってください。また、農薬の使用に当たっては、手袋、マスク等適切な保護具を使用するとともに、周辺の危被害防止にも注意してください。

東松山農林振興センターからのお知らせ

平成27年度から農業支援部の活動体制が一部変わります。
・平成25~26年度、農業革新支援担当(県農業支援課)が担当していた「果樹」「花植木」「畜産」「茶」の4部門を含め、全ての作物部門について農業支援部が対応することになりました。関係の皆様には、引き続き御協力をお願いいたします。

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