暖候期に向けたいちごの管理

暖候期に向けたいちごの管理

東松山農林振興センター

 

今年のいちごの生育は、花芽分化のバラつきと定植後の高温・日照不足・台風等の影響を受け、第一花房・第二花房の遅れが生じました。また、定植後は高温・日照不足で経過したため、うどんこ病や灰色かび病、ハダニやアブラムシ等が例年よりも多く見られます。5月の収穫終了時まで、安定していちごが収穫できるよう適切な管理に努めましょう。

1 適温管理
~「保温」から「冷やす」意識に変えましょう!~

いちごの日中の管理目標温度は20~25℃で、25℃以上は高温条件といえます。高温条件は光合成産物や株の消耗、果実の着色が早まる(=小玉化・糖度上がらない)、長日に伴い花芽形成が阻害される、ランナーが出やすくなる等の症状が現れます(花・果実生産より株生長になる)。

これから更に光が強く日長も延びてくるので、日中のハウス内が高温になり過ぎないよう換気に努めましょう。また、夜温はいちごが消耗しないように10℃未満を目標とします。

*株の付近に温度計を置き、実際の温度を確かめましょう。

2 ハウスの遮光をしましょう

果実に光が当たり続けて温まってしまう場合(南面や西日)は、遮光資材を使って日中の強い日差しを抑えましょう。遮光は直射日光を和らげて果実の温度上昇を抑え、果皮のヤケ・傷みの発生を防ぎ、果実の品質向上につながります。遮光方法(図1)と事例を参考に、取り組みましょう。

3月中旬には遮光ができるように準備をして下さい。

遮光のイメージ

図-1 遮光のイメージ

 

遮光事例1 連棟ハウス(南北畝)西側の屋根に遮光資材を載せた例

遮光事例1 連棟ハウス(南北畝)西側の屋根に遮光資材を載せた例

 

遮光事例2 連棟ハウス内 カーテンの利用

遮光事例2 連棟ハウス内 カーテンの利用

 

遮光事例3 遮光剤(商品名:ファインシェード)を外側に塗った例 3月末~5月下旬

遮光事例3 遮光剤(商品名:ファインシェード)を外側に塗った例 3月末~5月下旬

 

ハウス中側の様子

ハウス中側の様子

 

 

3 かん水

気温が上がり、いちごの生育量・着果量ともに増え、必要なかん水の量が増えていきます。かん水を「何日に1回○分間」と日数と時間で管理している例が多く見られますが、間隔を空けて一度に大量の水をやると、土壌水分の変化が大きく根の働きや肥料濃度に影響します。かん水は少量・多回数で行い、土壌水分の変化を小さくしましょう。

また、葉のチップバーンやガク焼けは、肥料が多い、かん水不足、高温による可能性がありますので、かん水等管理に注意してください。

4 害虫防除

気温の上昇に伴い、アブラムシやアザミウマ等の害虫が活動を始め、ハウスの換気も多くなるため害虫がハウスに侵入しやすくなります。そこで、害虫の生息しやすいハウス周辺の雑草を除去したり、周囲に防草シートを敷いて害虫の侵入を防ぎます。

また、薬剤散布の前には収穫の終わった果梗や古い葉、不要な芽を除いて、薬剤をかかりやすくしましょう。

アザミウマ類は近年被害が増えているので、青色粘着板をハウスの出入口や外周等に設置して発生を確認し、早めの防除を心がけましょう。

天敵の利用や薬剤の選択については、農林振興センターやJAにご相談ください。

 

薬剤例 いずれも収穫前日まで使用可能(2020年1月10日現在)

薬剤例 いずれも収穫前日まで使用可能(2020年1月10日現在)

一覧へ

【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。