水稲の収穫について

水稲の収穫について

東松山農林振興センター

 

気象庁が令和3年8月25日に発表した「向こう3か月の天候の見通し」によると、平均気温が高い見込みが40%です。

気温が高いと水稲の登熟が早く進行し、刈り遅れ等による品質低下が懸念されます。

終盤の管理もしっかり行い良品多収を目指しましょう。

 

暑さに負けない米づくり

出穂後20日間の日平均気温が27℃を超えて高くなると白未熟粒歩合が急激に増加するといわれています。

水稲栽培の後半で取れる対策は、①適正な栄養状態の維持、②根の活力を維持する水管理、③適期収穫です。基本技術をしっかり実践することで暑さに負けない米づくりを行いましょう。

 

1 適正な栄養状態の維持

出穂期に葉色が淡くなりすぎていると、籾に送るでんぷんが作れません。今年の施肥はどうでしたか?振り返って、良好な光合成と転流のための適正な栄養状態の確保ができたか考えてみましょう。

 

2 根の活力を維持する水管理

出穂期前後1週間は深水管理とし、その後は湛水と断水を3~4日で繰り返す間断かん水を行い、根の活力維持に努めましょう。

早期落水をすると玄米の充実が悪くなり、乳白米等の増加につながります。少なくとも出穂後30日経過するまでは水を切らさないようにしましょう。

用水が早く停止する場合には、停止前に湛水して水を止めて自然落水するなど、土壌水分を維持するようにしましょう。

なお、台風接近時には深水管理とし、台風通過後のフェーン現象が収まってから通常の水管理にもどしましょう。

 

3 適期刈取り

品質低下を抑えるための適期刈取りの目安は、各ほ場の出穂期後の積算気温(登熟積算気温)と帯緑色籾の割合で判断します。

適切な登熟積算気温と帯緑色籾割合は、品種や作型ごとに異なります。表1を参考に、自分が栽培している品種に合わせて刈取りを行うようにしましょう。

帯緑色籾割合とは、1つの穂の中で、青みがかった籾が残っている割合です。図1を参考にしてください。

 

なお、近年、高温等の影響で、帯緑色籾割合による収穫適期の判断が難しいケースが散見されます。この場合は登熟積算気温を基準に判断することをおすすめします。刈り遅れは着色米や胴割米の発生を助長し、外観品質を著しく低下させるだけでなく、食味も低下させますので、立毛籾水分が25%以下に低下し、登熟積算気温に達したら、帯緑色籾割合が多少高めでも早めに刈取りましょう。

 

乾燥調製作業

乾燥調製作業にはJAのカントリーエレベーターやライスセンターを活用するケースが多いと思いますが、自分で乾燥調製作業を行う場合には、玄米の仕上げ水分は14.5~15%を目標とし、過乾燥とならないよう注意しましょう。また、胴割米を発生させる恐れがあるので急激な乾燥は避けましょう。

 

乾燥終了直後の温度が高い状態で籾摺りを行うと、肌ずれ米が生じ、品質の劣化につながります。乾燥後は十分に籾を冷ますようにしましょう。

 

次年度に向けた準備

収穫を終えたほ場は来年度の稲作に向けて準備をしておきましょう。

残ったひこばえはヒメトビウンカの生息場所となり、イネ縞葉枯病の感染株があると、翌年度のウイルス保毒虫を増加させる恐れがあります。

 

刈株を土中に埋めるように収穫後はできるだけ早く一番耕を行うようにしましょう。特に本年の田植え後に活着不良を起こしたようなほ場では、地温が15℃以上あるような時期に早めにすき込むことで稲わらや刈り株の分解が進み、田植え後のガス害が起こりにくくなります。

 

また、稲わらのすき込みは有機物補給の効果が期待できます。

なお、わらの分解や腐熟を進めるには、土壌改良資材を併用することも効果的です。

 

 
図1 帯緑色籾
  (帯緑色籾とは緑色を帯びている部分が残っている籾)
 

 
表1 品種別の収穫適期の目安
埼玉県 令和3年主要農作物奨励品種特性表より
 

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