カンキツ類の整枝せん定 ~隔年結果になっていませんか~

カンキツ類の整枝せん定 ~隔年結果になっていませんか~

果樹のせん定は結果習性を理解して実施しないと、せん定することで、花芽を全て摘除してしまい、翌年に花が全く咲かないようなことも起こります。
かき、キウイフルーツ、ブドウやミカンなどのカンキツ類は前年に伸長した新梢(発育枝)に花芽を持つ芽をつけます。その芽から新たに伸びた枝に花が咲く結果母枝型の結果習性となるわけです。
特に、かきやカンキツ類では結果枝の先端部か花芽となるため、新梢の先端を切り戻しせん定を多くすると開花数が減ることになります。これらの性質を利用して

  1. 花芽が多いと予想される年は切り戻しせん定を多くし、開花数を減らす。
  2. 花芽の少ない「裏年」には間引きせん定を中心としたせん定を行う。

これにより、年による開花数の格差を少なくし毎年安定した果実の収穫が期待できるようになります。本年は家庭果樹でのカンキツ類は裏年傾向にありますので平成25年作に向けての参考にして下さい。

カンキツ類(ミカン)のせん定

◆せん定時期

3月上旬頃から新しい枝が発生してくる前までに実施します。

◆枝の種類と結果習性

ミカンの1年生枝には、果実をならせた枝(果梗枝)、あるいは摘果をした枝(摘果枝)と花が着かなかった枝(発育枝)があります。発育枝には花が着き、果梗枝には花が着かず発育枝が発生します。
本の樹には果梗枝、摘果枝、発育枝が混在しています。発育枝が多い樹では、この年の花数は少ない状態ですと発育枝の発生が多いので翌年は花数が多くなります。

【ミカンの結果習性】

【ミカンの結果習性】

◆せん定の方法

せん定により樹冠内部への日当たりを良くし、果実品質を高めるとともにカイガラムシ類などの発生を減らすことになります。そのため、せん定は着花の多少を見極めたうえで、着花数に応じたせん定を行います。

○表年のせん定

春の着花が多すぎるので切り返しせん定を多くします。また、大きな枝をせん定しても徒長枝は発生しないので、立ち枝や多すぎる側枝は間引きせん定をします。
着果が多いと発育枝の発生が少なくなるので、長すぎる側枝は切り返しせん定をしたり、積極的に発育枝を発生させるため、予備枝せん定をします。

○裏年のせん定

着花の割合いより発育枝が多い状況です。発育枝がある枝はせん定しません。着花後に着果した枝にかぶさっている枝の間引きや着花していない長い枝の切り返しせん定をします。
発育枝が30%以下の場合は樹冠部への日当たり及び風通しの向上を図る間引き以外は無せん定とし、冬に発育枝が多くなった場合にせん定します。

【切り返しせん定】

【切り返しせん定】

【間引きせん定】

【間引きせん定】

【樹勢が弱い系統のせん定】

【樹勢が弱い系統のせん定】

【青島温州などの強い系統のせん定】

【青島温州などの強い系統のせん定】

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