果樹を新たに育ててみませんか?

果樹を新たに育ててみませんか?

東松山農林振興センター

管内で新たに果樹の栽培希望者が増えてきています。今回は、その中で栽培希望の多い品目(いちじく、ぶどう、ブルーベリー)について、苗木の植え付け前後の栽培管理を紹介します。

1.いちじく

植え付け時期は、3月中旬~4月上旬です。

植え付け前に、完熟堆肥を1t/10a、石灰質肥料などを土壌pH7程度になるように施用します。いちじくは、排水の良い土壌を好み、根は比較的浅いところに広がるため、地下水位が高いところは、畝を高くします。

一文字仕立て(図1)の場合、畝間2.5m、株間6mを目安に植え付けます。

植え付け時は、植穴の深さが、苗木の一番上の根が土に隠れる程度に浅く掘り、広さが、根が八方に広げられる程度に掘ります。

植え付け後は、50cm程度の芽でせん定し、支柱を立て、支柱と苗を紐で8の字に結び(図2)、たっぷりかん水します。

11月_いちじく_図1、図2

5月上旬頃に、力のそろった主枝候補2本を残し、他の芽から発生する新梢は全てかき取ります。主枝候補枝が伸長してきたら、45度の角度で支柱に誘引します(図3)。降雨がなく土壌が乾燥している場合は、適宜かん水をします。

いちじくは比較的寒さに弱く、植え付け1年目の苗木は特に寒さで枯死することもあるため、防寒対策が必要です。12月~3月にかけて稲ワラを樹幹および主枝に厚さ5cm程度巻き付けます(図4)。

11月_いちじく_図3、図4

2.ぶどう

植え付け時期は、11月中旬~3月で、極寒期を避けます。

植え付け前に、植穴を縦横1m、深さ30cm程度掘り、掘りあげた土に完熟堆肥40kg、石灰質肥料などを混入して埋め戻します。土壌pHは6.5~7程度が適しています。

H型(4本主枝)の短梢仕立て(図5)にする場合、主枝同士の間隔が2~2.5m程度にし、主枝の長さは1本あたり6~8m程度にします。

※主枝を伸長させるためには、棚が必要になります。

植え付け後は、50cm程度の芽でせん定し、支柱を立て、支柱と苗を紐で8の字に結び、たっぷりかん水します。生育の良い新梢1本を選んで棚下20cm程度まで伸長させてから、新梢の先端を切り、副梢の発生を促し主枝を育成します(図6)。降雨がなく土壌が乾燥している場合は、適宜かん水をします。

11月_ぶどう_図5、図6

3.ブルーベリー

植え付け時期は11月下旬~3月中旬で、厳寒期を避けます。畝間3m、株間3mを目安に植え付けます。系統(ハイブッシュ、ラビットアイ等)が同じ受粉樹も導入します。

植え付け時は、植穴を縦横40~50cm、深さ40cm程度堀り、ピートモス15~30Lを混入し、湿ったピートモスで根を包むようにします。

植え付け後は、チップなどの有機物で10~15cmの厚さにマルチをして、土壌の乾燥を防ぎます(図7)。土壌pHは4.3~5.3程度が適しています。

定植直後は花芽のついた新梢部分をせん除し、株の生育を優先させます。降雨がなく土壌が乾燥している場合は、適宜かん水をします。

11月_ブルーベリー_図7
11月_イラスト
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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。