手軽に育て周年自給できるパセリ

手軽に育て周年自給できるパセリ

 ヨーロッパ原産で紀元前からハーブに用いられていたパセリ、日本には18世紀にオランダから渡来したのでオランダゼリの和名があります。
 通常店頭に並んでいるのは葉の縮れの多い縮葉種(カーリーパセリ)ですが、近ごろは縮れていない平葉種(イタリアンパセリ)も多く見掛けられるようになってきました。代表的な品種は、縮葉種では「パラマウント」(縮れた葉に光沢があり、濃い緑がきれい。独特の張りと香りあり)、平葉種では「イタリアンパセリ」(香りや味に癖がなく、爽やかな芳香あり)です。この他に根を食用とする根パセリもありますが、今のところ日本ではほとんど普及が見られません。
 パセリを家庭菜園にお薦めしたいのは、育て方がやさしく、1回の使用量が少ないので、プランターや狭い畑でも、春・秋に植えておけば一年中ほぼ自給することができるからです。

【育て方のポイント】
 まきどきは春3~4月と、秋8~9月の2回です。このころ種をまき、ポリ鉢に鉢上げして育てられた苗が園芸店に出回りますので、本葉5~6枚になった葉色の良い健苗を買い求めます。育ち不足ならかん水代わりに液肥を与え、勢いの回復を図ります。
 この苗を、長型のプランターなら3株、菜園なら株間30cmに植え付けます。その前に元肥として完熟堆肥(またはピートモスなど)を1株当たり2握り、油かすを小さじ1杯、あらかじめ株元に当たるところの土によく混ぜ込んでおきます。過湿を嫌うので、深植えしないよう、また、植え付け後のかん水もあまり多過ぎないよう注意します。
 植え付け後2週間目と、その後15~20日ごとに、株の周囲に、1株当たり油かす大さじ2分の1杯、化成肥料2~3つまみほどばらまき、竹べら(または割り箸)で、根を傷めない程度に土に混ぜ込みます。夏はプランターなら強光を避ける場所に移し、畑なら畝間に敷きわら(または干し草)を敷き防暑に努め、冬はプランターなら軒下に、畑ならべた掛け資材(割繊維不織布)を覆い防寒を図ります。
 害虫のキアゲハは大敵。図のような成虫が飛来し産卵した後必ず幼虫が葉を著しく食害しますので、見つけ次第捕殺しましょう。
 本葉が14~15枚以上になったら収穫です。若葉を摘むのではなく、図のように下の方の葉から1~2枚ずつ順次かき取り利用します。春植えは6~10月、秋植えは10~4月と、温暖ならほぼ一年中収穫できます。
手軽に育て周年自給できるパセリ

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。