新鮮な味が一番のソラマメ

新鮮な味が一番のソラマメ

新鮮な味が一番のソラマメ 若い莢(さや)が空に向かって実るので「空豆」。豆の形が蚕の繭に似ているところから「蚕豆(かいこまめ)」とも呼ばれます。近年は年内から出回り始めますが、本来は初夏を代表する味覚です。
 タンパク質、糖質、ビタミン類やミネラル類が多く含まれ、栄養豊かですが、収穫後の糖含量の減少は極めて早く、食味が落ちやすいので、適期を見届けて収穫し、できるだけ早く食べたい野菜です。育て方も比較的やさしいので、家庭菜園にはうってつけの野菜といえます。
 育て方のポイントは、(1)品種選び、(2)まきどきとまき方を守り、(3)茎の整理と倒伏防止策、(4)アブラムシの防除を怠らないことです。
 品種は大粒で食味の良い、3粒莢率の高い品種(仁徳一寸・打越一寸・駒栄・三連など)を選びます。
 種のまきどきは、10月中~下旬(関東南部以西の平たん地では10月20日前後)ですが、寒冷地では早くまき過ぎると冬までに大きく育ち過ぎ、寒害を受けやすくなるので、それよりも遅まきに、温暖地ではやや早まきすることが大切です。
 ソラマメの種子は野菜のうちでは一番大きく、発芽には水分と酸素を多く必要とします。よく発芽させるためには深くまき過ぎないこと、お歯黒(図参照)を斜め下方に向けて土に差し込むようにし、芽が地上に出やすくすることが大切。生育をそろえるためにはセルトレイ育苗が有効です。なお、じかまき、育苗とともに、黒色ポリフィルムのマルチを利用するのが、防乾、保温、雑草防止、アブラムシの回避にお勧めです。
 春になると株分かれし茎数が多くなってくるので、6~7本を残して他は取り、ついでに株元に土を寄せておきます。茎がさらに伸び、開花、着果が進んでくると倒れやすくなるので、所々に支柱を立て、ポリひもを横に2~3段張るなどして倒伏を防ぎましょう。
 ソラマメの実の付き具合をよく見ると、下の方から数えて5~6節のものが実止まりするだけで、その上方のものは、下方の実に栄養を奪われたり、気温が上がり過ぎたりして実止まりしないのが通常です。そのため上方の茎は不要ですから、刈り取ってしまうのも倒伏防止に良い方法です。病害虫の発生軽減にも有効。
 生育初期や後期にアブラムシが発生しやすく、初期にはウイルス病の媒介の危険があり、後期には大発生して茎葉を枯死させることもあるので、早めに発見し、薬剤散布して防ぎましょう。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。