シソ さまざまな用途を楽しむ

シソ さまざまな用途を楽しむ

園芸研究家●成松次郎

 
青ジソの若葉は大葉と呼ばれ薬味や精進揚げに、赤ジソの葉は梅漬けに利用されます。シソの発芽適温は20~25度、生育適温は20~23度で、低温には弱いが高温には強い野菜です。また、シソは短日期(昼の時間が夜の時間より短い季節)に花を付ける性質があり、9月ごろから穂が出てきます。シソは生育に応じて収穫方法が変わり、子葉、若葉、花穂、未熟果はそれぞれ芽ジソ、大葉、穂ジソ、実ジソと呼んでいます。これを、シソの七変化といいます。
 
 
シソ さまざまな用途を楽しむ
[栽培時期]中間地では4、5月が種まきの適期で、収穫期は6~10月です。
 
[品種]大葉の品種は、葉色が鮮緑色で広卵形をして大きく、葉縁の欠刻が深く、葉面に細かい縮みがある「青しそ」「青ちりめん」があります。赤ジソの葉取り用は「赤ちりめん」など葉色が赤紫色で葉形の大きい品種を用います。
 
[苗作り]直径7・5~9cmの小型ポリポットに4、5粒の種をまきます。セルトレーでは72穴のトレーを使い、2、3粒まきます(図1)。発芽後2回に分けて間引き、1回目は本葉が開く頃に、成長の遅れた株、密になっている所の株を抜き取ります。2回目は本葉3枚の頃に1本にします。
 
[畑の準備]幅70~80cm幅のベッド(栽培床)で栽培する場合には、事前に1平方m当たり苦土石灰150gを菜園全体に散布して耕しておきます。その後、堆肥2kgと化成肥料(NPK各成分10%)200gを施します(図2)。
 
[植え付け・追肥] 本葉5、6枚になったら、条間40cm、株間30cmに植え付けます(図3)。その後2週間おきに1平方m当たり30g程度の化成肥料を条間にまき、根元に軽く土寄せします。
 
[病害虫の防除]病気はほとんどありませんが、害虫ではハダニ、ハスモンヨトウなどがあり、アファーム乳剤などの登録農薬で防除をします。
 
[収穫]葉が10枚以上になってから、下の方の葉の付け根からもぎ取るように摘み取ります。収穫するとしおれが早いので、水に挿しておきましょう。穂ジソの収穫期は先端の花穂が5、6輪開花している頃に穂先から15~20cmで切り取ります(図4)。赤ジソは紫、青ジソには白い花が付きます。
 
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。