サイシン 夏に強い中国野菜

サイシン 夏に強い中国野菜

園芸研究家●成松次郎

 

中国野菜の図

ナバナに似た中国野菜で、茎葉と花蕾(からい)を食べます。草丈30~40㎝と小型で暑さに強く、高温でもとうがよく立つので幅広い時期に栽培ができます。茎は柔らかく、黄色い花を付けます。ナバナと同様にさっとゆでておひたしや、油炒めにしていただきます。中間地では4月から9月まで種まきができ、夏まきでは40日程度、春と秋まきでは60日程度で収穫期となります。
 
 
[品種]中国には収穫までの生育日数の短い早生品種から、生育日数の長い晩生品種までいろいろありますが、日本では早生系の品種が作られています。「早生系サイシン」(タキイ種苗)、「中国菜心」(サカタのタネ)などがあります。
 
[畑の準備]あらかじめ土の酸性を改善するため、1平方m当たり苦土石灰100gをすき込んで耕しておきます。次に、種まきの1週間前に幅90㎝程度の栽培床(ベッド)を作り、1平方m当たり化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥2㎏を全面に施し、土と混ぜ、くわでベッドを平らにならします(図1)。
 
[種まき]ベッドに直角に条間20~25㎝の種まき溝を切ります。まき溝は木板を土に押し付け、溝を付けると深さが一定になります。じかまきとし、まき溝に2、3㎝間隔に筋まきします(図2)。その後、べたがけ資材を使えば、乾燥や強い雨を防ぐと同時に害虫の予防にも有効です。
 
[間引き]1回目は発芽後、子葉が重なる株を間引き、2回目は本葉2、3枚の頃に株間5㎝程度、3回目は本葉5、6枚で株間15~20㎝に間引きます(図3)。
 
[追肥]最後の間引き後に1平方m当たり化成肥料50g程度の追肥をし、軽く土寄せします。なお、畑が乾くときには、十分灌水(かんすい)します。
 
[病害虫の防除]アブラムシには粘着くん液剤などの気門封鎖剤で防除します。アオムシ、コナガにはアファーム乳剤、トアロー水和剤CTなどを使います。なお、べたがけ資材を除いた後は、防虫ネットで被覆するのが良いでしょう。
 
[収穫]とう立ち後、30㎝くらいに伸び1、2花が咲き始めたら株元から切り取って収穫します(図4)。なお、下の葉を3、4枚残して切り取ると、脇芽から再び茎が伸びてくるので、さらに追肥して長い間収穫ができます。
 
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
 
 
 
 
 
栽培カレンダー9月

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
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  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
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