カボチャ 強健で育てやすい

カボチャ 強健で育てやすい

園芸研究家●成松次郎

かぼちゃの育て方図解

生育適温は17~20度でウリ科野菜の中では比較的低温に強く、強健で病害虫も比較的少ない野菜です。ビタミン類、カリウム、カルシウムなどを豊富に含み、特に免疫力を高めるβ‒カロテン含量は野菜の中ではトップクラスです。

 

[品種]西洋カボチャでは「みやこ」(サカタのタネ)、「えびす」(タキイ種苗)、「九重栗」(カネコ種苗)など、ミニカボチャでは「坊ちゃん」(ヴィルモランみかど)など。表皮が白く貯蔵性のある「雪化粧」(サカタのタネ)などもあります。

 

[苗作り]種は一般地では3、4月に12cmポットに3粒まき、本葉1枚の頃生育の良いものを残して間引いて1本にし、本葉4、5枚まで育てます(図1)。

 

[畑の準備]植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gを全面にまいて耕します。次に、畝幅(ベッド幅)90cmで、中央に深さ20cm程度の溝を掘ります。この溝1m当たり化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥2、3kgとを施し、溝を埋め戻して高畝を作ります(図2)。

 

[植え付け]遅霜の心配のない4、5月が植え付け適期で、株間90cm程度に植え穴を掘り、穴に十分水を注いで植え付けます。遅霜の恐れのあるときは、ポリフィルムでトンネル、ホットキャップやあんどんを作り、保温します(図3)。

 

[整枝・交配]本葉5枚くらいで摘心し、生育の良い子づるを3本伸ばし、他の子づるはかき取ります(子づる3本仕立て)。伸びた子づるは重ならないように配置します(図4)。着果節位は10節前後を目標にし、雄花開花日の早朝に花粉を雌花の柱頭になすり付け、受粉(人工受粉)させます(図5)。

 

[追肥・敷きわら]追肥は果実がこぶし大の頃、化成肥料を1株当たり30g程度、株元から離してばらまきます。茎葉と果実への泥はね防止のため、敷きわらや不織布など透水性の資材を敷きます。

 

[収穫]開花後45~50日たって果実に爪が立たないくらい堅くなった頃が収穫適期です。収穫後7~10日、風通しの良い場所に置いておくと甘味が増します(図6)。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

 

一覧へ

【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。