大玉トマト作り成功のポイント

大玉トマト作り成功のポイント

大玉トマトの成功する植え方

板木技術士事務所●板木利隆

トマトには豊富な栄養分やリコピンの抗酸化作用があり、がんや動脈硬化の予防効果も期待されます。またうま味成分であるグルタミン酸を極めて多く含み、食味を豊かに魅力あるものにしてくれます。生食や煮物をはじめ用途は幅広く、毎日のみそ汁の具にしても楽しめます。

種類は大玉系、中玉(ミディ)系、小玉(ミニ)系とあり、改良が進み実に多彩な品種が出回っていますが、作りこなしたいのは何といっても大玉系です。育て方が難しいだけに、成功の喜びはまたひとしおです。

成功のポイントは次の4点です。作業の順を追って述べましょう。

(1)元肥の施し

トマトの根系は、土中で縦型に深く分布するので、これをしっかり形成させることにより過乾、過湿に耐える健全な育ちにすることができ、各花房の果実を確実に着果、肥大させ、尻腐れや裂果などの障害を防げます。2列植えの畝の中央に、幅30cm、深さ40cmぐらいの溝を掘り、粗大有機質(稲わら、刈り草、芋づるなどの中熟堆肥)、油かす、化成肥料などを早めに施します。

(2)大苗にして定植

育苗は4号ポリ鉢で8~9葉展開まで行い、1~2花開花してから畑に植え出します。確実な着果を図るには着果ホルモン(トマトトーン50倍液)の散布がお勧めです。小苗定植では後の生育バランスが極めて取りにくいです。

(3)追肥の適期を守る

早く施し過ぎると窒素成分が効き過ぎ、茎葉の徒長を招きます。第1花房の確実な肥大を見届けてからにしましょう。果実の横径が5~6cm以上になったころが目安です(施肥量は1株当たり油かすまたは有機配合大さじ4杯、化成肥料大さじ3杯ぐらい)。その後生育の様子を見て15~20日に1回ぐらい同量を施します。梅雨中は与えないことです。

(4)芽かき、薬散を遅れずに

脇芽の伸びは極めて早いので、3~4cmの長さに伸びる前に必ず行うようにしましょう。毎日、少なくても1日置きです。特に5~6段以上も長期に取り続ける場合は、摘心した上に出る物も必ず取ります。

病害虫は必ず発生します。初発生は局部的ですので、早期に適応薬剤を正しい利用法で散布して防ぎます。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。