ミツバ 香りが良く、お吸い物に重宝

ミツバ 香りが良く、お吸い物に重宝

 

園芸研究家●成松次郎

2021年3月_家庭菜園_イラスト width=

ミツバは日本原産のセリ科野菜で、半日陰でもよく育ち、乾燥に弱いので、他の野菜の陰になる所に適します。種まきの適期は4〜5月と9月です。
 
ミツバの発芽適温は20度前後で、10度以下の低温や30度以上の高温では発芽が困難です。
発芽後は10〜20度でよく成長します。
なお、低温により花芽分化し、その後の高温・長日でとう立ちするため、
温暖地では4月中旬以降、寒冷地では5月上旬以降に種まきします。
 
ミツバは、青ミツバ(または糸ミツバ)、切りミツバ、根ミツバの3タイプがあります。
青ミツバは青々とした葉を楽しむ品種で、店頭に並ぶのはほとんどが水耕栽培です。
切りミツバは冬に根株を掘り上げ、これを室(むろ)という暗室に持ち込んで軟白させた物で、根を切って収穫されます。
根ミツバは春から育てた根株に畑のままで土を掛け、早春に伸びてきたところを掘り取ります。
ここでは青ミツバの作り方を紹介します。
 
[品種]「白茎三ツ葉(関西系)」(タキイ種苗)、「白茎みつば」(サカタのタネ)など。
 
[畑の準備] 種まきの2週間前までに1平方m当たり苦土石灰100gを施し、よく耕しておきます。
その後、化成肥料(NPK各成分で10%)100g程度と堆肥2kgを混ぜ、幅60〜90cmのベッドを作ります(図1)。

 

[種まき] ベッドと直角に、20cm間隔の細いまき溝を作ります。
まき溝に1cm間隔に種をまきます。種は好光性なので、隠れる程度(5mm)に土を薄く掛けます。
発芽まで、十分灌水(かんすい)します(図2)。
 
[管理] 早まきでは、ビニールフィルムでトンネルを作り、発芽を促します。
不織布のべた掛けは、安定した発芽に役立ちます。
 
追肥は2〜3週間ごとに、1平方m当たり30g程度を与えます(図3)。
また、乾燥に弱いため畑が乾いたら灌水し、真夏の高温・強光下では黒寒冷しゃなどで日よけします。
 
[収穫] 草丈20〜25cmになったら、地際より少し上で刈り取ります。
刈り取った後から、新しい葉が伸び出してきます(図4)。
なお、冬には寒さで茎葉が枯れますが、春には越冬した根株から新たな茎葉が伸びてきます。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

 

イラスト:小林裕美子

 

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
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  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。