間引き、整枝、摘葉

間引き、整枝、摘葉

間引き、整枝、摘葉 畑にじかに種子をまいたり、苗作りで育苗箱にまいたりする場合、通常は厚まきにするため、発芽すると密生状態になります。小さいうちは、密生している方が「共育ち(共存)」の現象で、お互いにかばい合ってよく育つものです。
 しかし、そのまま密生にしておくとお互いに「競合(競争)」し合い、全てが軟弱徒長状態になってしまいます。そのため間引きをして適当な間隔を与えてやる必要があります。
 間引きは1回で済ませるのではなく、育ちに応じて2~3回行うのが生育にとって合理的です。ダイコンの例は図示した通り、本葉1枚のころと、3~4枚のころ、6~7枚のころと、3回行うのがよいでしょう。1回目は子葉の形に注意し、異常に大き過ぎたり、不整形のものは根が変形したりしやすいので、除外して整った形の株を残すよう注意しましょう。ニンジンは部分的に密生しやすいので、遅れないよう丁寧に間引きをすることが大切です。いつまでも込み過ぎていると根の肥大を大きく損ね、形の悪いものになってしまいます。
 良質の果実をたくさん収穫したい果菜類は、摘心、整枝、摘葉を適切に行い枝の配置を良くし、各葉に太陽光を十分に与え、果実の付く位置や、着果数に応じた健全な葉数を確保することが大変重要です。
 通常主枝一本仕立て(トマト)、主枝+側枝二~三本仕立て(ナス、ピーマン、スイカ、メロン、カボチャ)、主枝+子つる+孫つる(キュウリ)など、種類別の整枝法をよく理解して、時期を逸せず入念に行うことが大切です。
 また、茎葉が盛んに伸び、各葉が込み合うようになったら、老化した葉や陰の葉、病害虫にかかった葉は適宜摘葉して、畝内の通風、採光を良くしてやりましょう。
 内側に伸び、葉の込み合いをひどくしている側枝は、茎の中ほどから切り取ることも必要です。
 なり盛りを過ぎ、弱った株の勢いを回復する積極的な整枝、摘葉法として、これから行うナスの更新剪定(せんてい)を参考までに図に示しました。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。