春を告ぐ味覚、ナバナを育てよう

春を告ぐ味覚、ナバナを育てよう

200909.gif 独特の苦味と香りで、春を感じさせるナバナ。アブラナ科の菜の花のつぼみ(花蕾)を利用するものです。今ではほとんど周年的に店頭に出回っていますが、晩秋から春にかけてが旬となります。
 10cmほどの長さに切りそろえ、ぼつぼつ咲き始めたつぼみの束は、千葉県南部の特産品でしたが、近年は早生、晩生、多分枝性、耐病性など品種改良も進み、従来よりも一層広い地域で良品が得られるようになってきました。種苗会社によっては、ハナナとして特徴ある品種を売り出しています。
 種まきは8月下旬から9月中下旬までと、適期の幅は相当広いですが、早まきは早生種を用い、晩秋からの収穫を狙います。
 一方、9月に入ってからの種まきには、耐寒性の強いものなどを選ぶようにすれば、楽しみは一層広がります。
 128穴のトレイに4~5粒ずつ種をまき、本葉4~5枚のセル苗に育てて畑に植えるのが便利ですが、畑にまき溝をつけて直まきし、間引きながら一本立ちにして育ててもいいでしょう。
 太い花茎でおいしい花蕾を長期間取り続けるには、保水力に富む畑で、元肥に良質の完熟堆肥(たいひ)と、有機質肥料を十分施します。収穫が進むにつれて半月に1回ぐらい、油かすと化成肥料を追肥して、肥料が切れないようにすることが大切です。
 アブラナ科野菜に共通の問題ですが、コナガの幼虫は大敵、アブラムシやヨトウムシなどにもやられやすいので、発生を早く見つけ、所定の薬剤などで防除しましょう。
 盛んに育ってきたら次々と花蕾をつけてきます。収穫適期の目安(1~2花咲き始めたころ)をよく見て、取り遅れることのないよう収穫してください。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。