ブロッコリー 側花蕾を春まで取り続ける

ブロッコリー 側花蕾を春まで取り続ける

園芸研究家●成松次郎

ブロッコリーは冷涼な気候を好み、生育適温は18〜20度です。小さいときは高温に強いが、つぼみの肥大期には耐暑性が弱くなります。一方、耐寒性もあまり強くなく、氷点下2度以下で凍害を受けます。

7月下旬〜8月中旬にまき、11〜12月に頂部の花蕾(からい)を収穫し、その後側枝から小さい花蕾を春まで取り続けます。

 

[品種]花蕾が作られる早晩で早生、中生、晩生に分けられます。中生品種が作りやすく頂・側枝花蕾兼用の「ハイツSP」(タキイ種苗)、「緑嶺」(サカタのタネ)などが一般的です。
「スティックセニョール」(サカタのタネ)は小さいつぼみで茎が柔らかく、たくさん取れる家庭菜園向きの品種です。

 

[苗作り]直径7・5〜9cmのポリポットを使い1ポット当たり3〜4粒をまき、本葉2〜3枚以上で1株に間引きます(図1)。
苗作りの期間中は、寒冷しゃで害虫の飛来を防ぎます。

 

[畑の準備]植え付け2週間前に、1平方m当たり苦土石灰100gをまいて、深く土を耕しておきます。
植え付け1週間前に畝幅70〜80cm、深さ20cmの溝を掘り、この溝1m当たり化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥2〜3kgを施し、土を戻してよく混ぜて、高さ10cm程度の畝を作っておきます(図2)。

 

[植え付け]本葉4〜5枚の頃、株間45cm程度に植え付けます(図3)。植え付け前には、植え穴に十分灌水(かんすい)して植え傷みの少ないようにします。

 

[追肥]追肥は植え付け後20日ころ株元に化成肥料を1株10gくらいまいて、土寄せします。2回目は花蕾が見える頃に施用します。
また、頂部の花蕾を収穫後、側枝の発生を促すため、10gくらい与えます。

病害虫防除(ヨトウムシ、コナガなど)が多いので、トアロー水和剤CTなどで駆除します。

 

[収穫]花蕾が大きくなり、小さいつぼみがはっきりと見え、固く締まった状態が収穫適期。長さ15〜20cmに切り取ります(図4)。頂花蕾の収穫後、側枝から発生する小さい花蕾を春まで取り続けることができます。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

イラスト:小林裕美子

一覧へ

【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。