いちごの連続収穫を目指して(定植後の栽培管理)

いちごの連続収穫を目指して(定植後の栽培管理)

東松山農林振興センター

昨年は、定植後の高温やその後の天候不順により、いちごの生育に合わせた温度管理が徹底されず収穫の中休みが多く見られました。

いちごの収穫期間は来春5月頃までの長期にわたります。次の内容を参考に管理を行い、安定した収穫ができるように努めましょう。

 

1 クラウンの位置を再確認し、根を深く張らせる

いちごは、葉で作った栄養分を根に貯め、厳寒期(12~1月)はその貯蔵栄養が株の生育や果実の肥大に利用されます。

定植後の根張りが悪く、根に蓄えが少ないと、厳寒期の葉が小さく展開も遅くなるため、次の花房の育ちが悪くなり中休みや株疲れの原因になります。

新しい根は、葉の付け根(クラウン)から発生します。

適正なクラウンの位置は写真1のとおりですが、かん水や葉かきによりクラウン下部が空中に露出してしまうことがあります。この場合、新しい根が出にくくなるため、マルチをかける前にクラウンの位置を見直しましょう。クラウンが地表より上にある場合(写真2)は、必要に応じて土寄せを行い発根を促しましょう。

適正な位置で定植し活着までの灌水がしっかりできれば、新たに発生した一次根が自然にクラウンを良い位置に引き込んでいきます。
 
写真1 クラウンの位置が適正な株
クラウンの位置が適正な株
 
写真2 クラウン露出修正が必要な株
クラウン露出修正が必要な株

 

2 マルチは適期に行う

第一腋花房(第二花房)の分化時期は、一般的に頂花房分化後約30日とされています。しかし、定植後が高温に推移すると第一腋花房(第二花房)の花芽分化が遅れて中休みの原因となります。

定植後は日中の温度が高くなりすぎないように、ハウス内の温度がいちごの生育適温(25℃)を超えないよう換気に努めましょう。

マルチは、地温が20℃になったら準備を始め、地温が18℃以下になる前に行いましょう。温度計を地中に設置して確認するよう努めてください。

生育ステージごとの温度管理は表1を目安にしてください。なお、急に気温が下がる場合もあります。適温管理ができるよう被覆資材や暖房機の点検・ダクトの配置調整は早めに進めましょう。

なお、パイプハウスでビニール被覆をする場合は、気温の状況を見て、早く被覆しすぎないように注意しましょう。

 
表1 生育ステージごとの温度管理の目安(とちおとめ)
生育ステージごとの温度管理の目安(とちおとめ)

3 厳寒期の樹勢を維持する

厳寒期は、日射量・時間ともに少なく、着果負担もある厳しい環境です。

そのため、地上部で作った栄養分だけでは足りず、根の貯蔵栄養が果実や株の生育のために消費されます。葉面積が少ないと作れる栄養分も少なくなるので、マルチを行う前などに葉かきをしすぎないよう注意してください。

葉面積が多い(葉枚数が多い)と、樹勢維持のために有利であるとともに味の良い美味しいいちごが生産できます。

また、芽数が増えると養分の競合が生じ、果実の小玉化や糖度の低下を招きやすくなります。

年内は芽の数を1芽から2芽に管理しましょう。不要なランナーや収穫の終わった果梗も栄養分の無駄遣いとなるので、早めに取り除きましょう。

 

4 病害虫対策

保温開始後は、ハウス内の湿度が高まり、うどんこ病(写真3)が発生しやすくなります。保温開始前からうどんこ病の防除を行いましょう。

また、ハダニによる被害も増えています。ハダニの食害を受けた株(写真4)は他の株と比べて生育が遅くなります。

ハウス内外の雑草を取り除き、ハダニの住処となる場所を減らすよう心掛けるとともに早期の発見、早期の防除を行いましょう。

天敵(カブリダニ類)を利用する場合は、使用する農薬の影響日数を考慮して、計画的に防除をしましょう。

 
写真3 うどんこ病
うどんこ病

 
写真4 ハダニの食害痕
ハダニの食害痕

 

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