ネギの種まき、苗作り

ネギの種まき、苗作り

晩秋から冬期にかけて収穫し、鍋物やすき焼きなど用途の広い根深ネギや葉ネギは、お彼岸のころが露地の苗圃(びょうほ)での種まきの適期です。
 畑は半月以上前に、元肥として完熟堆肥(たいひ)と油かす、化成肥料(酸性土壌なら事前に石灰も)を全面にばらまいて15~20cmの深さによく耕しておきます。
 ネギ苗作りで大切なことは、(1)そろいよく発芽させること(2)除草を怠らないこと(3)間引いて苗を適正な間隔にすること(4)肥切れさせないこと(5)病害虫防除を怠らないことです。
 そろいよく発芽させるには、まず、くわを何回も前後させて底面が均平になるよう、まき溝を入念に作ります。種は厚薄なく平らにまき、覆土(1~1.5cm厚)したら、くわの背で軽く鎮圧します。その上を2~3cmの長さに切断したわらで覆い、防寒と降雨から幼苗を保護します。もみ殻薫炭も良い材料です。
 ネギの初期生育は遅いのですが、雑草は急にはびこるので、除草は遅れないよう徹底しましょう。
 草丈6~7cmのころから、伸びるにつれて2~3回間引きし、最終株間を3cm内外にします。その間、3回ほど条間に化成肥料、有機配合肥料などを追肥し、軽く中耕しておきます。
 病害虫、特に赤さび病、スリップス、ハモグリバエなどが発生しやすいので、早期発見に努め、薬剤散布し、苗床から本圃にできるだけ持ち込まないよう心掛けます。
 一方、セル成型育苗は、間隔がきちんとしているので、苗はよくそろいます。さらに植えつけの際の断根がないので、活着が良いという利点があります。
 成功のポイントは、(1)セル育苗用として配合された専用の土を用いること(2)かん水を上手に(晴天なら1日に2~3回、周辺部を多めに)行うこと(3)1穴に3本立てるよう間引くこと(4)植えつけ前1~2時間にたっぷりかん水して苗を抜きやすくしておくこと、などです。
 図は通常のセルトレイを用いた方法ですが、ネギ専用の定植機を使用するペーパーポット方式が専業農家では多く用いられています。経済栽培の場合には、JAでこの方法の指導を受けられるのが得策です。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。