農作業アドバイス

台風シーズンに備えて

2019年08月07日

東松⼭農林振興センター

いよいよ秋冬野菜作付けの季節となってきました。

昨年は9月に関東地方に台風21号、24号が接近・上陸し、大きな被害をもたらしました。

気象災害に備えるとともに、作目・作型に合わせた管理を行い、良品生産に努めましょう。

1 台風の発生数と関東甲信地方への接近数

2009年から2018年までの10年間の台風発生数と関東甲信地方(伊豆諸島及び小笠原諸島を除く)への接近数は表のとおりです。

年間の平均発生数は24.5個で、発生の多い月は8月5個、9月5.3個、10月3.2個、11月1.5個、12月0.8個で全体の約65%です。一方、関東甲信地方への年間の平均接近数は3.6個で、8月1.1個、9月1個、10月1.2個と全体の90%以上を占めています。

特に2016~2018年の過去3年は年間接近数が平均5.7個で8月2.3個、9月1.3個、10月1.3個と多い状況となっています。

今年は6月末までの台風発生数が3個と平均の4.7個に比べ少ない状況でしたが、過去の同様に少ない年も2010年を除き、平年並みに台風が発生しているので、注意が必要です。

過去10年の台風発生数と関東甲信地方接近数

2 台風に対する農作物等管理技術対策について

(1)事前対策

ア.共通事項

(ア)排水路の点検・整備を行い、水の停滞に備える。

(イ)作物により防風網を設置するなど強風に備える。

(ウ)安全第一とし、増水した河川や用排水路に近づいたり、管理作業を行わない。

イ.園芸用ハウス

(ア)フィルムの破れ、支柱、支線、ターンバックルなどを点検・補修し、必要に応じて筋交いを入れるなど補強する。特に雪害で被害を受けたハウスなどは入念に点検し、対策を講じる。

(イ)台風襲来直前

  • 出入口、天窓、サイドをしっかり固定し、隙間からの風の吹込みを防ぐ。
  • 停電、浸水による漏電等が想定されるので、不必要な電源は遮断する。
  • 換気扇を回してハウス内を負圧にし、被覆材のバタつきを防ぐ。
  • 大雨による施設内の浸水が心配される場合には、出入り口に土のうを設置する。

ウ.水稲

強風による穂ずれ、葉の損傷、倒伏等を防ぐため、可能な範囲で深水にする。

エ.露地なす

強風に備えて、支柱や枝の誘引などについて点検・補強する。

オ.ねぎ

強風による倒伏に備え、土寄せのできるものは早めに実施する。

カ.果樹

  • 収穫できる果実は事前に収穫する。
  • 棚や支柱、網などを補強し、樹体の揺れを少なくする。

キ.花植木

  • 排水対策を行うとともに、フラワーネット等の点検・補強を行う。
    
(2)通過後の対策

ア.共通事項

台風通過後は病害虫の発生を防ぐため、薬剤防除を行う。

イ.水稲

  • 冠水したほ場では速やかに排水する。ただし、台風通過後に高温・強風が懸念される場合は、天候が安定するまで深めの湛水状態を保つ。
  • 台風通過後は穂枯性病害(もみ枯細菌病、内頴褐変症)や白葉枯病の発生が懸念されるため、収穫前日数に注意して可能なら薬剤散布を行う。

ウ.露地なす

  • 水の停滞による湿害や病害(青枯病、半身萎凋病、褐色腐敗病等)の発生を防ぐため、速やかな排水に努めるとともに薬剤防除を行う。
  • 風雨により被害を受けた果実は早く摘果し、樹勢の回復を図る。

エ.ねぎ

  • ほ場作業が可能になり次第、軟腐病・白絹病・小菌核腐敗病等を対象に薬剤防除を行う。
  • 収穫期に達しているほ場では、高温多湿による軟腐病の被害拡大が懸念されるので、ほ場作業が可能になり次第、速やかに収穫・出荷を行う。

オ.ブロッコリー・キャベツ

  • 風雨により軟腐病・べと病・黒腐病の発生が懸念されるので、薬剤防除を行う。
  • 天候が回復次第、早めに中耕を行い土壌の通気性を確保する。
  • 土壌が流亡した場合は、株を直し株元に軽く土寄せを行って倒伏やねじれを防ぐ。

カ.にんじん・こまつな等葉菜類

葉の損傷が見られた場合には、速やかに薬剤防除を行う。

キ.果樹

  • 落下した果実は速やかにほ場外へ搬出する。
  • 葉・枝・果実の損傷が発生した場合は、なしでは輪紋病、ぶどうではべと病や晩腐病、いちじくでは疫病、りんごでは腐らん病の発生が懸念されるので、薬剤防除を行う。

ク.花植木

  • 倒伏した株は引き起こして株元を軽く押さえ、噴霧器等で付着した土を洗い流すよう薬剤散布を行い、病害の発生を予防する。
  • 破損した茎葉は病害の発生源となることから、速やかにほ場外へ搬出する。
  • 浸冠水した施設、資材等は必要に応じて消毒を行う。
  • キク・宿根アスター等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球・タイマー等)は、速やかに作動状況の確認を行う。

※農薬はラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認して使用してください。

自然災害等様々なリスクに備えて、農業共済や収入保険制度に加入しましょう。

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